*2008.12.05 (Fri)... 第十話 ２本のギター

寿ｌ　家庭訪問あるから、この紙を明日までに出すように。それでは、さよなら。

宝ｌ　家庭訪問かぁ～なんかしっくりこないなぁ。

明ｌ　まぁ、親父が本当の親父じゃないもなぁ。

宝ｌ　まぁいいか。そんな事どうだってな。

明ｌ　そうだよな。

------四日後--------

ピンポーン

父ｌ　はい。あ、先生。どうぞ中へ。

寿ｌ　はい、ありがとうございます。

父ｌ　先生に話しておかないといけない事があるんですけど。

寿ｌ　なんでしょうか？

父ｌ　俺は、宝と明の父ではないんです。

寿ｌ　そうなんですか？なんでそうなったのでしょうか。

父ｌ　それは、まず、宝と明の父と母は結婚直前でして。でも浮気しちゃったんです。

寿ｌ　・・・そうなんですか。

父ｌ　それで、宝と明の父は真面目なので、別れようといい、別れたんです。

父ｌ　でも、もう妊娠してたんですよ。それで俺と妻で一緒にやってるんです。

寿ｌ　あの、宝と明がギター好きって、彼方が教えたんですか？

父ｌ　いえ、宝と明の父が残した。２本のギターそれで覚えたんです。

寿ｌ　なるほど。読めました。

父ｌ　話はこれだけです。これだけ知って欲しかったんです。

寿ｌ　分かりました。ちょっと聞きたいんですけど、連絡ってできますか？宝達のお父さんに。

父ｌ　できますけど。どうしたんですか？それが。

寿ｌ　いい事思いついたんです。

父ｌ　なんですか？

寿ｌ　それは見てのお楽しみ。その電話番号いただけますか？

父ｌ　いいですよ。もちろん。

寿ｌ　ありがとうございます。

父ｌ　いえいえ、

寿ｌ　それでは、やることがあるんでさようなら。

---------------次の日------------------

寿ｌ　次の音楽会の演奏なんだが、これにする事にした。

寿ｌ　あの素晴らしい愛をもう一度。だ。

宝ｌ　何それ。昔の歌？

寿ｌ　いい歌だ。まぁまず聞いてみろ。

-------------４分後------------------

明ｌ　宝、これいいんじゃない？

宝ｌ　そうだな。

寿ｌ　それと、楽器の振り分けをするぞ。

寿ｌ　良子はピアノで、宝と明以外、ケンバンハーモニカだ。

寿ｌ　最後に、宝と明は、ギターだ。明日から持ってくるように。

宝、明ｌ　マジですか？先生！

寿ｌ　ああ。本当だ。いい演奏聞かしてくれよ。

-------------音楽会当日----------------

寿ｌ　皆、がんばって演奏してこいよ～。

クラス全員ｌ　おー！！

宝ｌ　母さん達いるかな？

明ｌ　なぁ。あれって父さんじゃないの？

宝ｌ　いるはずないだろ。

本当の父ｌ　宝と明がんばれ！

宝、明ｌ　父さん？！

---------------６分後------------------

明ｌ　なんで父さんがいるんだ？

本当の父ｌ　先生に呼ばれてきたんだよ。

宝ｌ　先生・・・

本当の父ｌ　二人とも、ギターすごいうまいぞ。

宝ｌ　ホント？！

本当の父ｌ　嘘付いてどうする。うまいぞ。

明ｌ　初めて、誰かに誉められた気がする。

本当の父ｌ　じゃあ、俺は帰るから。またうまくなってるの見せてくれ。

宝、明ｌ　うん！

宝、明ｌ　先生。ありがとう。お父さん呼んでくれて・・・・。

寿ｌ　いやいや、別に言わなくても来たはずだよ。

寿ｌ　前の発表会とかも来てたらしいからな。

宝、明ｌ　そうだったのか・・・ずっと見ててくれたんだな。

寿ｌ　皆いい演奏だった。楽しかった。それじゃあ解散だ。さようなら。

その後・・宝と明は夜遅くまでギターを弾いていた。

宝と明のお父さんも夜、泣いていた。